紙の名は~その2~

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紙の名前には意味がある:その2

前回、紙の料金表というものがあることを少しお話ししましたが、
紙屋さんに紙を発注する際に必ず必要な情報で、また
紙を語るうえで欠かせないもう一つの要素が「連量」というものです。

これは、全紙と呼ばれるサイズの紙が1,000枚ある場合の重さを
表します。例えば上質紙70kgと言えば、「四六判全紙(788mm×1091mm)
が1,000枚で70kg」ということです。

ちなみに四六判とは、主にB判系列の印刷に用いるサイズで、jam.[color]やjam.[texture]
で使用している紙はほぼ、この四六判から断裁して使用しています。

よく表紙で使用される紙に「アートポスト180kg」がありますが
四六判全紙1,000枚で、なんと180kgもあるということなのです。

紙の名前と連量はセットです。
名前と枚数だけでは紙屋さんに「何kgですか?」と聞かれてしまいます。
名前+重さと枚数で初めて紙の発注として成立すると思って良いでしょう。

紙の名前の意味や由来とは

では、今回も実際の紙の名称からいくつかその名前の意味や由来を
見ていきましょう。

1、「上質紙」
その名の意味とは?
上質紙とは、原料を化学パルプ100%で製造された紙のことです。
これに色が入ったものを「色上質」と言います。
上質という名前から、コート紙やマット紙より高級なのかな?と
思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、原料の化学パルプの
量が100%なので「上質」だ、という意味です。

上質紙には各製紙会社によっていくつかの銘柄があります。
例えば

日本製紙:NPI上質、しらおい
王子製紙:OKプリンス上質、OKいしかり
三菱製紙:金菱
中越パルプ工業:雷鳥上質
北越紀州製紙:キンマリ、紀州上質
大王製紙:ユトリロ上質

王子製紙さんは上質紙でもOKが入ってますね。
プリンスとか雷鳥は紙の白さから連想される名となっているそうです。
ユトリロは白を印象的に使った画家の名前に由来するそうです。

ちなみにjam.[color]で使用しているのは紀州色上質です。
色上質の連量表現は独特で、うす口、中厚口、特厚口、最厚口、超厚口
と重さではなく紙の厚みとなっています。
では、最厚口は何kg相当かというと、だいたい160kg(四六判)相当になります。
色上質の色にも、それぞれ名前がついていますが、サーモンやあじさいなど
名前を聞いただけで色が想像できるものが多いです。
アマリリスやコスモスなどは、花に馴染みのない方には少し分かりにくいものも
中にはありますね。

2、「ミランダ」
その名の由来とは?
天王星第5衛星にその名が付けられています。
天王星の衛星は全てシェークスピアの作中から選ばれているようで、
ミランダさんは「テンペスト」の登場人物で、一言でいうと社交界のお嬢様。
キラキラな紙「ミランダ」にぴったりなネーミングですね。


※見本写真はミランダ180kgホワイトです。

jam.[color]やjam.[texture]で使用されている紙がこれで少し
身近に感じてもらえたら嬉しいです。

どんな紙だっけ?というアナタ。
ぜひ一度お手に取ってみてください。

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